屈折異常について
屈折異常とは、外部から目に届けられた光が網膜上の一点に焦点を結べない状態です。先天的に眼軸が長かったり、短かったり、眼に外傷を受けたとき、水晶体の厚さをうまく調節できないときに生じます。
屈折異常のタイプ
近視 遠視 乱視 老眼
近視
主に遠くの物を見るとき、角膜や水晶体を通った光が網膜よりも手前でピントを結んでしまい、網膜上にぴったり合わせられなくなる状態です。大別して「軸性近視」と「屈折性近視」があります。前者は、角膜から網膜までの距離(眼軸)が長いことによって引き起こされます。遺伝的な要素が強く、両親がともに近視の子どもは、両親がともに近視ではない子どもよりも7~8倍も近視になりやすいと言われています。
後者の屈折性近視は、何らかの要因によって角膜と水晶体の屈折力が強すぎるために起こります。小学校の高学年ごろから出現することが多く、学校で黒板の文字が見えにくくなったり、暗いところで物がはっきり見えなくなったりします。
遠視
角膜や水晶体を通過した光が網膜よりも奥の辺りで焦点を結んでしまう状態です。遠くを見るときは何とか焦点を調節することが出来るのですが、近くを見るときはうまく調節できません。そのため、眼に負担がかかり、疲れ目や頭痛、肩こりなどを併発することが良くあります。
乱視
角膜や水晶体、硝子体などの形が歪んでいるため、焦点が1か所に集まらなくなり、対象物がダブって見えたり、ぼやけて見えたりする状態です。眼の形状により、乱視の状態も様々ですが、歪がひどい場合は眼精疲労を併発することもあります。
老眼
加齢に伴って水晶体や毛様体などの機能が衰え、ピントの調節がうまくいかなくなる状態です。個人差がありますが、一般的には40歳ごろから目の焦点を合わせにくくなり、老眼の症状が出始めます。そして徐々に進行し、65歳くらいになると、その後はゆるやかになります。
メガネ・コンタクト処方について
眼鏡やコンタクトレンズを作る際には、まず眼科専門医を受診することが大切です。眼の状態を判断し、どのようなレンズが適切なのかを判断する必要があるからです。さらに、何らかの眼科疾患が潜んでいないか確認するようにしましょう。