鼻涙管閉塞とは
眼と鼻の間には、鼻涙管と呼ばれる涙の通り道があります。鼻涙管閉塞は、この通路が詰まってしまう病気です。健康な人ならば、涙は目の表面を潤した後で目頭にある涙点という小さな穴に吸い込まれ、涙小管、涙嚢、鼻涙管を通過して鼻腔へと排泄されます。しかし、鼻涙管閉塞が起こると、目に溜まった涙がうまく排出されなくなるため、様々な不都合が生じます。
このような症状の方は眼科受診を
- 特に泣いているわけではないのに、涙がこぼれてくることがある
- 涙で視野がぼやけて見える
- 眼鏡のレンズが涙で曇りやすい
- 目ヤニが溜まりやすい
- 目の縁がただれている
- 角結膜炎や逆さまつげなどがある
- ドライアイを患っている
- 加齢に伴って目じりにシワが出来てきた
- 鼻炎や蓄膿症などを患っている
- 目頭の内側を押すと、膿みのようなものが出てくる
- 目じりの辺りに外傷を負った
- など
鼻涙管閉塞の原因
閉塞状態となる原因は幾つもありますが、鼻炎や蓄膿症、ポリープなどを患ったときに起こるケースが目立っています。特に中高齢者によく見られるのですが、この世代の場合、仕事などが忙しくて放置されている方も少なくないようです。しかし、眼科での治療によって症状の改善が見込めますので、お早めに医療機関を受診するようにしましょう。
また、生まれつき鼻涙管の形成に異常があるため涙が排出されないケースもあります。出生直後から目ヤニが多く見られるなど、特徴的な症状がありますので、新生児・乳児健診の際にお申し出ください。
鼻涙管閉塞の治療法
鼻涙管閉塞の治療に際しては、まず閉塞部を刺激し、鼻涙管の詰まりが解消されるか確認します。軽度の場合、これだけで改善することもあります。しかし、詰まりが是正されないときは、ブジーと呼ばれる細い針金を差し込み、閉塞部を拡げて流れを良くし、患部を洗浄します。
一度の治療の後、暫くしてから再び詰まることもありますので、治療を繰り返すこともあります。詰まっている範囲が狭いときは、シリコン製のチューブを挿入し、改善を目指す手技も効果的です。